御同朋の社会をめざす運動(実践運動)

  宗門の取り組み

伝道本部(宗務所)における実践目標
「災害支援:東日本大震災をはじめとする被災者への支援」について

 このたび、伝道本部(宗務所)では、「重点プロジェクト」の「実践目標」を「災害支 援:東日本大震災をはじめとする被災者への支援」といたしました。

1.東日本大震災の現状
 2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災をはじめとする自然災害は、地震に よる津波や台風による水害、竜巻などによって、大切ないのちを失われたり、仕事、家な どの生活基盤が突然失われるといった絶望的な悲しみを抱えることになった方がたを多く 生み出しました。特に、関東、東北地方では、東京電力管内原子力発電所の事故も重なり、 放射能、風評被害、人口の減少など多くの課題が山積し、一年以上経った今も、被災地の 人びとは大きな苦しみの中にあります。

2.ながくつなげる宗門の活動
 宗門では、大震災直後、本願寺仙台別院内に「東北教区災害ボランティアセンター」を 立ち上げ、2012(平成24)年2月からは「福島県復興支援宗務事務所」を設置し、物資の 支援などの緊急支援、被災者のこころのケア、さらには原子力発電所事故による被災者支 援にも努めてきました。また、教区や組など多くの方がたも、地道で積極的な取り組みを 進めてこられました。
 しかし、一年あまりの時間が経過した現在、被災地とそうでない地域との温度差が生じ、 支援が十分に届かない状況が生まれています。被災地の苦悩が、忘却され風化しつつある 今だからこそ、私たち宗門は、ながくつなげる支援をめざし、「重点プロジェクト」とし て新たな目標を立て、具体的な災害支援を推進していかねばなりません。

3.悲しみを受けとめる
 ご門主様からは「豊かさに慣れて、いのちの尊さや人間同士支え合うことの大切さを見 失いがちであったとき、大震災に遭いました。ご本願を信じ、念仏申す者にとって、人生 は往生浄土の道であり、阿弥陀如来のお救いに応える場です。如来の救いを私一人の満足 に終わらせることなく、他のいのちにも開かねばなりません。あらゆるいのちは、どこか でつながっているのですから。亡くなった方も、生き残った私たちも、等しく阿弥陀如来のお慈悲の中にあります。いのちを失われた方の無念さ、大切な人を亡くされた方の悲し みを少しでも受けとめるよう努めたいと思います」とのお言葉(平成23年11月16日親鸞聖 人750回大遠忌法要)を頂きました。人びとの悲しみを受けとめるため、苦悩に寄り添うた めには何をすればよいのでしょうか。
 「重点プロジェクト」においては、社会的な課題をきちんと分析し、より多くの人とも つながりながら、取り組んでいくことをめざしています。伝道本部(宗務所)の「重点プ ロジェクト」では、被災された方がたの現状を的確に把握し、具体的な施策を打ち出して いきます。伝道本部(宗務所)のこれまでの活動から、被災者の悲しみを聴き、その声に 応えて、さまざまな支援を行っていくことの必要性が浮き彫りになってきました。

4.「聴く」ことからはじまる「ご縁」
 大震災後、傾聴を根幹に据えた宗教者の取り組みが盛んになっています。
 例えば、東北大学では「臨床宗教師」の育成の取り組みが始まり、一般社会では、宗教 者や医者、研究者の集まりからなる「心の相談室」の取り組みがあります。
 宗門には、25年にわたるビハーラ活動者養成や自死遺族へのケア、門信徒を対象とした 教学相談など、「聴く」ことについての豊富な実績があります。これらの実績を活かし、 「聴く」ことを活動の一つの柱として、被災者の悲嘆に寄り添える体制づくり、「そっとつ ながる」ご縁づくりを進め、「ホッがつたわる」安心できる社会をめざし、より一層充実 した活動を進めていきたいと考えています。
 「聴く」ことから、心と心のつながりが生まれ、そこから「ご縁」が広がっていきます。 伝道本部(宗務所)では被災地での活動の基本を「聴く」ことに置き、総合テーマ「結ぶ 絆から、広がるご縁へ」の実現をめざしていきます。

 以上のことから、伝道本部(宗務所)では「重点プロジェクト」として「災害支援:東 日本大震災をはじめとする被災者への支援」を掲げ、被災者の悲しみを受けとめ、被災地 での「ご縁」をつないでいく物心両面の支援を力強く推進していきます。